ひとりごと
漫画や小説の読書感想文やイラスト、
日々の雑記。
コミカライズ『まほろ駅前多田便利軒』1巻
脳内安西先生のせいにした「今更これですか」レビュー第二弾。
三浦しをん先生の直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』を、
山田ユギ先生によって忠実にコミカライズした第一巻。
というかですね、私このコミックスの発売を心待ちにしていたのですが、
発売日に見つけられなかったんですよ行きつけの書店数店で。
発売延期になったんだなあとか勝手に納得してたんですよ。
最近多いからね私が待ってるコミックスの発売延期とかって。
まさかどこに行っても
BLコーナーに分類してあるとは思わなかったのでね!
ちがうもんちがうもんBLじゃないもの!!
一応直木賞受賞した原作なのに本屋さんひどい!
そりゃあ三浦しをんといえば『月魚』を筆頭にそういう匂い強い作家さんだし、
山田ユギと言えばBL黎明期からずっと第一線のエースBL作家さんだし、
あれ?
本屋さん悪くなくね?
……まあそんなわけで誤解を生みがちなタッグなわけですが、
大変良いコミカライズだったので一応、
「BLじゃないよ!」
と言うためにとりあげてみました。
単に収納の問題から、できるだけ小説は文庫で買うんだぞ私! と
日々自分の理性に言い聞かせているにもかかわらず(まあ割と負けますが)、
私が発売とほぼ同時に原作を上製本で買ってしまったのは、
本格ミステリを前にすると理性を失う私が、
出版社の枠を超えて例の「まほろ市ミステリシリーズ」が始まったのか?
三浦しをん本格ミステリデビューか?
と誤解したからだったのも、今となってはいい思い出です。
いい思い出と笑えるのは、
ミステリではなかったけど、私好みの内容だったおかげですが。
じゃあもう「まほろ市」は「ネズミーランド」みたいなもんでよくね?
そんなわけで一瞬
「あれ? まほろ市って実在してるっけ?」
と考え込んでしまった…
そんな人割といるんじゃないでしょうか。
いなくても特に気にせず生きていきますが。
先に小説を気に入って精読しまくったあとに映像化と言うと、
どうしても自分の脳内の漠然とした理想像と比較してしまうから、
それが二次でも三次でも、
「違うんだこのシーンはこういうカメラワークで見たかったんだ」
「なんでこのエピソード削ったし!」
「キャラクターがイメージ違うよぅ」
などなど、つまらないことがひとつひとつ気になってしまい、
不当に低く評価してしまうのは世の常です。
しかしその不当な高いハードルを悠々と飛び越え、
「すごい! すごいよこれ、ドンピシャだ!」
となったのが今回の山田ユギ先生によるコミカライズ。
誰が決めたか知らないが、人選した人とは友達になりたいです。
向こうの方でお断りなのは重々承知してます。
表紙を見ただけでキャラクターデザインが個人的にどストライク。
原作に忠実な台詞、丁寧なエピソードの消費、
きちんと描かれた背景の生活感、
主人公たちの表情に見える哀愁、それでも忘れないユーモア、
どれをとっても素晴らしい。
このシーンに一ページ丸ごと使ったコマ割のセンスとか!
これを見た瞬間にこのコミックスは傑作になると思いました。
まだ完結してないので気が早いよと言われても。
基本原作に忠実なんですが、
原作ではもっといろいろ迂回しなくてはならなかった
犬の飼い主までたどり着く流れがコミックスではうまくコンパクトにされてたり、
マンガとしてテンポがよく、
あまりにも山田ユギ作品の空気と嵌っていて、
割と原作に忠実に映像化されたものは、
テンポがどうにもそのメディアとは嵌ってなかったり、
妙によそよそしい感じが漂ったりすることも多い中、
まるで原作者の存在を感じさせない山田ユギのコンテセンス、
天才じゃないですかこの人。
原作を咀嚼し、きっちり自分の血肉にしたんだなあ、と
コミックス収録の「おまけ」を読むとよくわかります。
なんだか原作でこの番外編を読んだことがあるような気さえして、
慌てて原作を読み返したくらいです。
このルルなんていかにも原作に出てきそうじゃないですか?
行天の浮世離れしたつかみ所のない感じ、
多田の時折見せる哀愁漂う淡白な諦観。
「いろいろ疲れたけどでもなんとかやってる」大人の男を
色っぽく描くのは天下一品の山田先生が、
この難しいキャラクターをとても魅力的に描いてくれていて、
原作ファンも満足の一冊だと思います。
まだまだBLコーナーに分類されてることが多いけど!
是非未読の原作ファンは読んでみて欲しいです。
ところで話のついでですが、
三浦しをん著『月魚』といえば、
あの作中のふたりについて
「とっくに肉体関係持ってるけどお互いの感情を探り合ってる臆病同士」
と読むか、
「お互いの感情に踏み込めず、無論肉体関係もない臆病同士」
と読むか、どちらだと思います?
私は後者で読んでいたんですが、そうすると意味がつかめなくなる台詞があるよね……?
いやでもなあ……どうでしょう?
(結局BL的な話題で終わるのもどうなのか)
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三浦しをん先生の直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』を、
山田ユギ先生によって忠実にコミカライズした第一巻。
というかですね、私このコミックスの発売を心待ちにしていたのですが、
発売日に見つけられなかったんですよ行きつけの書店数店で。
発売延期になったんだなあとか勝手に納得してたんですよ。
最近多いからね私が待ってるコミックスの発売延期とかって。
まさかどこに行っても
BLコーナーに分類してあるとは思わなかったのでね!
ちがうもんちがうもんBLじゃないもの!!
一応直木賞受賞した原作なのに本屋さんひどい!
そりゃあ三浦しをんといえば『月魚』を筆頭にそういう匂い強い作家さんだし、
山田ユギと言えばBL黎明期からずっと第一線のエースBL作家さんだし、
あれ?
本屋さん悪くなくね?
……まあそんなわけで誤解を生みがちなタッグなわけですが、
大変良いコミカライズだったので一応、
「BLじゃないよ!」
と言うためにとりあげてみました。
単に収納の問題から、できるだけ小説は文庫で買うんだぞ私! と
日々自分の理性に言い聞かせているにもかかわらず(まあ割と負けますが)、
私が発売とほぼ同時に原作を上製本で買ってしまったのは、
本格ミステリを前にすると理性を失う私が、
出版社の枠を超えて例の「まほろ市ミステリシリーズ」が始まったのか?
三浦しをん本格ミステリデビューか?
と誤解したからだったのも、今となってはいい思い出です。
いい思い出と笑えるのは、
ミステリではなかったけど、私好みの内容だったおかげですが。
じゃあもう「まほろ市」は「ネズミーランド」みたいなもんでよくね?
そんなわけで一瞬
「あれ? まほろ市って実在してるっけ?」
と考え込んでしまった…
そんな人割といるんじゃないでしょうか。
いなくても特に気にせず生きていきますが。
先に小説を気に入って精読しまくったあとに映像化と言うと、
どうしても自分の脳内の漠然とした理想像と比較してしまうから、
それが二次でも三次でも、
「違うんだこのシーンはこういうカメラワークで見たかったんだ」
「なんでこのエピソード削ったし!」
「キャラクターがイメージ違うよぅ」
などなど、つまらないことがひとつひとつ気になってしまい、
不当に低く評価してしまうのは世の常です。
しかしその不当な高いハードルを悠々と飛び越え、
「すごい! すごいよこれ、ドンピシャだ!」
となったのが今回の山田ユギ先生によるコミカライズ。
誰が決めたか知らないが、人選した人とは友達になりたいです。
向こうの方でお断りなのは重々承知してます。
表紙を見ただけでキャラクターデザインが個人的にどストライク。
原作に忠実な台詞、丁寧なエピソードの消費、
きちんと描かれた背景の生活感、
主人公たちの表情に見える哀愁、それでも忘れないユーモア、
どれをとっても素晴らしい。
このシーンに一ページ丸ごと使ったコマ割のセンスとか!
これを見た瞬間にこのコミックスは傑作になると思いました。
まだ完結してないので気が早いよと言われても。
基本原作に忠実なんですが、
原作ではもっといろいろ迂回しなくてはならなかった
犬の飼い主までたどり着く流れがコミックスではうまくコンパクトにされてたり、
マンガとしてテンポがよく、
あまりにも山田ユギ作品の空気と嵌っていて、
割と原作に忠実に映像化されたものは、
テンポがどうにもそのメディアとは嵌ってなかったり、
妙によそよそしい感じが漂ったりすることも多い中、
まるで原作者の存在を感じさせない山田ユギのコンテセンス、
天才じゃないですかこの人。
原作を咀嚼し、きっちり自分の血肉にしたんだなあ、と
コミックス収録の「おまけ」を読むとよくわかります。
なんだか原作でこの番外編を読んだことがあるような気さえして、
慌てて原作を読み返したくらいです。
このルルなんていかにも原作に出てきそうじゃないですか?
行天の浮世離れしたつかみ所のない感じ、
多田の時折見せる哀愁漂う淡白な諦観。
「いろいろ疲れたけどでもなんとかやってる」大人の男を
色っぽく描くのは天下一品の山田先生が、
この難しいキャラクターをとても魅力的に描いてくれていて、
原作ファンも満足の一冊だと思います。
まだまだBLコーナーに分類されてることが多いけど!
是非未読の原作ファンは読んでみて欲しいです。
ところで話のついでですが、
三浦しをん著『月魚』といえば、
あの作中のふたりについて
「とっくに肉体関係持ってるけどお互いの感情を探り合ってる臆病同士」
と読むか、
「お互いの感情に踏み込めず、無論肉体関係もない臆病同士」
と読むか、どちらだと思います?
私は後者で読んでいたんですが、そうすると意味がつかめなくなる台詞があるよね……?
いやでもなあ……どうでしょう?
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