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アイツの大本命3巻発売中。

BLです。
ボーイズラブです。

いや逃げないでまあ待て今まで百合だの女装男子だのさんざんやってるんだ今更。
百合はよくて薔薇はダメとか勝手なことを言うんじゃない好き嫌いしないで何でもよく噛んで食べなさい。


……いや年末年始でサボリ過ぎてて、
レビューを書く為のモチベーションの上げ方が下手になりました。
読んで面白かった本はいっぱいあったんですがどこから手をつけていいかわからない。
なんか今更この本について私如きがごちゃごちゃ言うのもなあ、なんて
身も蓋もないことが頭をよぎっちゃうとダメですね。



というわけであからさまに開き直ってみました。



BLレビューをやるなら絶対この人からにしようと決めていた田中鈴木さん。
どこまで苗字なのかそれとも名前なのかわからない田中鈴木さん。
リブレ出版からこのたび3巻目が発売されました『アイツの大本命』
このタイトル発音するときにどうしても
「スイカの名産地♪」
と同じになるのは私だけでいいです。


傾向やジャンルや萌え属性にかかわらず、
新刊が出たら名前だけで買う作家さんはあまたいらっしゃいますが、
田中鈴木さんもそのひとりです。
BL以外を出してもこの人なら買います。

作者の名前が田中鈴木
『アイツの大本命』の主役は佐藤(攻)と吉田(受)。
この気取った雰囲気が皆無のシンプルさが好きだ!
BLなのにね!


吉田くんはツリ目でチビで女子人気皆無の童貞ブサイク君です。
くどいようですがその吉田くんがです。
受というのは専門用語でネコです。ゲイの女役です。
どんなルックスかというとこの下にいる方の人です。↓

tanakasuzuki1.jpg

上でアップになっているのが佐藤くん(攻)です。
専門用語でタチです。ゲイの男役です。
キラキラしてる超イケメンです。
学校中の、いや近所中の女の子が
どんどんおかしくなっていくくらいのイケメンです。
女子がどんどんおかしくなっていくのを苦笑いで見守るのも
このお話の魅力のひとつです。

モテモテ佐藤くんは女の子たちの誘いを角を立てずに断るために
「吉田と約束があるから」という言い訳を多用するので、
吉田くんは女子の敵になっていきます。

別に仲良くもないし約束もしてないのに言い訳に名前を使われるため、
「少しは遠慮して佐藤くんを女子に譲れ」と責め立てられる毎日の吉田くん。
ただでさえブサイクでモテないのに
イケメン佐藤のせいでこのままじゃ彼女なんか夢のまた夢。

まあカテゴライズBLですし次の展開は読めますよね?
モテモテで皆にいい顔していて何でも出来る佐藤くんの本命は、
ツリ目チビブサイクの吉田くんなのでした。

……ところで佐藤くんが吉田くん本命なのに、
吉田くんを窮地に追い詰めてしまうほど周囲にいい顔をし続けるのには
あるトラウマが関係しています。
彼は本性がどSのいじめっこなのですが、
それは吉田くんにしか見せない顔なのです。
……3巻ではSの顔がダダ漏れになってきましたが。

基本世話焼きでいい奴な吉田くんは、だんだん佐藤くんにほだされていくという
BL王道な展開ゆ―――っくりやりつつ、

ラブなシーンはあまりにも少なく、
色っぽいシーンは皆無に等しく、

じゃあ3巻も何をやってるかというと、


なにしろ高校生男子の青春物語ですから、
たとえばこの3巻ですと、合コンとか!








goukon.jpg

※合コンです。






同級生の可愛い子ちゃんにセッティングしてもらった合コンに
吉田くんとそのモテない仲間で参加したりとかしてました。




斬新な自己紹介とかされてました。

goukon2.jpg

※BLです。





あと、あとはそうですね、モテモテ佐藤のライバルが現れたりしましたよ!
受が何故か男にモテモテで攻がヤキモキ、BLの王道でしょう!?



しかも外面はいいけど内面いじめっこな佐藤くんと違って、
ライバル西田(またこのシンプルな名前)くんときたらとてもよい人。

どれくらい良い人かというと彼を町でふと見かけると、


iiyatu.jpg



息をするように善行を重ねてる超好青年なのですよ!





iiyatu2.jpg



見てるだけでこっちの息が切れるわ!






……要するにBL本ということになってますが基本ギャグマンガです。
3巻のあとがきでは作者自ら

もっと笑えるものが かけるよう がんばりたい!! です

と書くくらいです。
BLレーベルから出てるので一般読者の目にあまり留まらないであろうことが
たいへん悔やまれる作家さんなのです。

あ、でも「恋愛もの」としてもちゃんと好きですよ。
もう一組の同時進行ブサイク受カップル山中×高橋のダメっぷりも最高です。
ブサイク受という新興ジャンルですが、
吉田くんも高橋くんも心根がピュアなので、
なんだかだんだん可愛く見えてきます。


……が。

『転校生・神野紫』のときにもつくづく思いましたが、
田中鈴木さんはBLレーベルでなく一般誌で描かれるべき方じゃないのかなあと。

特に神野紫は一般誌でちゃんとバトル中心で読みたかった。
女の子もみんな魅力的だったし、それぞれキャラクターを掘り下げて、
全12巻くらいで少年漫画テイストにちょっとBLが匂うくらいの立ち位置で
描かれるべき物語だったんじゃないかなあ勿体無いなあ…


BLレーベルでももちょっと日常ラブ要素以外も許してくれるようになればいいのに。
昔は壮大なテーマに同性同士の恋愛要素がちょっとある、くらいの
少女漫画がいろいろあったものですが、

BLというジャンルが花開いてからこっち、
男同士の恋愛を描きたいならこっちで描きなさい、
ただしテーマは男同士の恋愛、のみ! ですから!
という方向性が決め付けられてしまった感がありませんか。
気のせいですか。

きっと何につけそうなのでしょうが、
自由に気ままにそこにあったものが、
名前をつけられ分類されると
たくさんの人にわかりやすくなるけれど窮屈になる、という悲しい現象。

BLは好きだけれど
日常的な僕たちラブラブばかりだと寂しくなってくるわけなのです。

同性とか近親とか身分違いとか敵同士とか、
要するに私は単に「障害の大きい恋愛」を読むのが好きなんだと思います。
そしてできれば、恋愛以外のことも一生懸命な、真摯で真面目な人たちの…

田中鈴木さんのような才能が、自由に飛翔できる場所って今はないのかなあと、
カテゴライズされていなかった雑多な昔の漫画界を懐かしく思い出します。
昔は少女漫画雑誌にフツーに
ホモもレズもSFも時代劇もファンタジーも西部劇も本格的なものが載っていたのに。

学校内での恋愛話以外少女は読まないと決め付けてるのは誰だ?


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君に届け10巻発売。

何が凄いってほかの別冊マーガレットコミックスは25日の発売なのに、
これだけ本日13日、雑誌の発売日と連動させる特別措置ですよ。
「このコミックスの続きが雑誌ですぐ読める!」
このアオリ文句って雑誌の売上に、相当効果あるんでしょうか…


お久しぶりです新年一発目のレビューです。
何にしようか悩んだ挙句、結局たった今読み終わった本から。
大好きなんです正統派少女漫画。

「少女漫画が好きなんです」と語った場合、
脳内で想定してるのはこういうマンガなんです。
主人公は真面目で一生懸命で恋愛に疎くて、
10巻も続いてるのにちゅーひとつできない、
もどかしくもじれったい恋模様。

裸成分多めの官能マンガを「少女向け」と言い切るご時世、
この王道ど真ん中の少女漫画がトップを走っているのは
たいそう小気味のいいことであります。

王道だとか正統派とか言いましたが、
もちろんこのご時世それだけではそうそう受けません。
この作品が大ヒットしたのはひとえに主人公爽子のキャラクター造形。
多分「マンガを読むのが好き」な人なら誰でも身に覚えのある、
「自分は周囲とうまくなじめない」という、孤独の恐怖。

それを彼女の外見でわかりやすく表現し、
誰もが身に覚えがあって、
そして自尊心と折り合って封じ込めようとする不安と、
逃げずに真正面から常に戦って少しずつ壁を壊していくカタルシス。

孤独の不安、受け入れられないことの恐怖、それは
連綿とあらゆる形で描かれてきた王道的テーマなのだけれど、
あえて何のオブラートにも包まずに
「読者と同じ普通の学園生活の普通の日常」で
痛いことを痛いと真正面から描くことに、
主人公爽子と同じ方向性の潔さを作者にも感じます。

とにかく爽子が良いのです。
もちろんヒーロー風早くんも、友達もライバルも皆良いですが、
主人公のキャラクターが飛びぬけて良いです。
見てるだけで泣けてきます。


さて10巻はとうとう、とうとう、とうとう!!
10巻までかかるのかよ!! 何百ページ費やしたんだよ!!
だがそれこそが少女漫画!!
よくやった!!
告白 ターイム!!



焦らして焦らして、やきもきさせて、
主人公たちふたり以外は全員わかってる状態で!
さあいざ! でも誤解! すれ違い!
でもふてくされず逃げず負けず!
今度こそ今度こそ今度こ――


SA380082.jpg


…………………読者だって負けないやい。





まあどれほど自己批判の強い理性的な人でも、
これはもう可能性がありますよ
思わざるを得ない雰囲気を盛り上げるだけ盛り上げ、
学校祭が終わったら!
終わったらお互いちゃんと確認しますから!
というわけでとりあえず学校祭へ意識を向けるわけですが、

kimi.jpg

告白前夜の集大成が「立派なうらめしい演技」な正統派少女漫画。




それでいいのです。
それこそが『君に届け』が皆に届いた理由。
だって爽子に感情移入する我々は、
たとえばジュリエット役には決して選ばれないのだから。



そして告白前夜に恋する乙女がやりきった演技がこちら↓

SA380078.jpg


学校祭と告白イベントの真っ最中だというのに、
「下心」とか刻一刻と変化する風早くんのあだ名とか、
細かい遊びが行き届いていて、椎名先生の力量を感じます。


まあそんなわけでそんなわけで!!
「彼女」だよ「彼女」!! すごいよね!!
感無量ですよ!
長かったような短かったような。
誰かの背中をバンバン叩きたいようなこの感情は何と呼ぶのか!



SA380080.jpg


日記だけでも笑ったのに
洗面所にまで「現実」と書いたメモを貼る爽子が可愛くて仕方ない。
アニメのせいで声が
あの能登さんのウィスパーヴォイスで再生されるからなおおかしい。

いやあもう付き合い始めのこの二人の初々しさが、
のた打ち回りたいくらいこっ恥ずかしくて可愛くてたまらんばい。
「盗めてなかった!」は最高ですね!
天然モテ系風早くんのデレっぷりは一級品。

……そう、天然モテ系、
「誰にものにもならない」「みんなの風早」を
無事ゲットしたあかつきには、
そりゃあもう王道少女漫画的陰湿なイジメ…
――靴に画鋲とか――
――実際は見たことないんだけど
定番のトゥシューズに画鋲ってネタが実際描いてある文献ってズバリ何ですか――
――という展開になるかとちょっとだけ思ってましたが、
根の明るい『君に届け』、別のルートに入りました。
そうくるか。
そうくるのか。



……そうなると切なくなるのはくるみちゃんですよ。



SA380081.jpg


くるみちゃあああああん!!


アイドルの仮面を脱ぎ捨てたくるみちゃん。
以下次号!




――実写映画化ってマジですか。




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『よつばと! 9巻』と『のだめ最終巻』。

このクオリティでは仕方がないと思いつつも、
もっともっと刊行ペースが早いといいのになあ『よつばと!』
大好きです。
今朝もワクワクしながら夜明け前に起きたよ!

9巻は男性陣が大活躍でした。
いい年齢した大人の男性が集まって、
いつまでも学生時代と変わらないバカを繰り広げるさまは
見ていてとても微笑ましいというかなんというか……可愛いぜこんちくしょう
半額と聞いて、ちゃんとやんだも数に入れるジャンボがなんだか好き。
口ではいろいろ言うけれど、仲がいいんだなあこの3人。

やんだとよつばのじゃれ合いが好きだ。
よつばと割と同レベルだやんだ。
さらっとよつばに無視されてても本人気づいてない匂いがちらほら。


SA380059.jpg
SA380058.jpg
なんかピンボケだが特に気にしない。

子供味覚だよこの人!
本当に割とよつばと同レベルだったよ!
子供だ子供!

しかしやんだは年上の先輩にばかりこんなに懐いてて学生時代何があったんだ。
彼女との付き合い方のダメさ加減も垣間見え、
妙に彼が心配になってきましたよ。
先輩ふたりもなんだかんだで心配なのかもしれません。
まともなごはん食べてないし子供味覚だし。

いや私から見たら小岩井さんも相当不安ですが。
しかしもしかしたら小岩井さんは子供のふりをした相当なオトナな気もするし。
それは気のせいかもしれないし。
竹とんぼでこんな顔するし。
SA38006.jpg


秋の連休に気球を見に行くあさぎと虎子が好きだ。
確信的に作者はやってると思うけど、虎子とあさぎは私の百合好きセンサーを刺激します。

意外と土手で楽しく遊べちゃうみんなが好きだ。
子供がいると一緒に子供の遊びが出来ていいなあ。
子供のいる生活がうらやましい。

よつばの一挙手一投足に相変わらずにやにやします。
9巻も出てて、だいぶよつばの言動にも慣れたはずなのに、
それでも読んでいて「突拍子もないな」と思うんだから
作者の力量の凄さたるや。
モデルがいるのかな。いないならとてつもなくすごいな。

小岩井さんはこんな子とずっと一緒にいられていいなあ…
「そらになりかけ」は萌えますね…!

よつばと! を読んだ後は自分には子供がいないので、
友達のところの子供を構いたくて仕方なくなります。
あと無性にお菓子を食べたくなるのが困ったところです。

SA380060.jpg
         風香はたけのこ派だったのか!

あー早く10巻出ないかな! と考える9巻発売日。



そしてのだめ

単行本派なので『のだめカンタービレ』が最終巻だなんて知りませんでした。
そして普通こんな大ヒット作が大ヒットのまま終わるなら、
帯にでかでかと「最終巻!」とか書かないか? と思うのだけど
予告編ばかりのDVDといい、編集部の商売根性ばかり見えてなんか…なんだか…

そしてこの物語が作者の構想どおり終わるなら、
それは絶対千秋との共演で感動的なカタルシスの後、
日常的なバカをやってオチがついて、
泣き笑いハッピーエンドだと信じていたんですが…
いたの…ですが…

単行本が出るたびにわくわくしながら無邪気に貪った日々は
もう戻ってこないんだなあという感傷とともに、
共演は…?
共演は見れないの…?
という喪失感でちょっと呆然中。

どう感情を整理しようかなという真っ最中なわけですが、
これからもふたりが音楽の道を続けていくのなら、
一種のゴールである「共演」は
お互い道を究めるまで、超一流になるまで目標にとっておけ!
お前らはまだまだ若くて、音楽はまだまだ深くて、
先はまだまだあるのだ!
という作者のキャラクターに対する親心のようなもの…と
解釈すればいいのかな。
どうかな。

物語世界の完結には最高のカタルシスが欲しいと思う読者である私と、
キャラクターを子供として想い別世界の住人として、
ENDマークのその先まで考える作者と、
その考え方のすれ違いなのだと受け取ればいいのでしょうか。

のだめが音楽の道を本当の意味で選んだ、ということで素直に喜べばいいのか…
千秋が大川にのだめを迎えに行ったときの盛り上がりに比べると、
今回の「音楽に振り向かせる」流れはちょっと小さかったな、と思うのだけど。

結局千秋はプロポーズを受けるのか受けるというか自分からしたのかどうなんだ。
人間関係にも特にENDマークはつかないグランドフィナーレ。
やはり彼らは別の世界のどこかに生きている人々で、
その青春の一瞬をちょっと見せてもらっただけだ、という物語だったのかもしれません。

……映画観に行こうかなあ……

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戦国ブームを考える。

……というほどのこともないですが。

何かというと、本日書店に寄りまして、
大羽快『殿といっしょ』4巻と、
東郷隆『センゴク兄弟』を買って参りまして、

『殿といっしょ』アニメ化決定

という帯をみてびっくりしたからです。

いや好きですよ? ゲラゲラ笑って読んでますよ?
いやしかしそれにしても何でもかんでもアニメ化だなあ、という感想が
一番最初によぎったのは否定できないわけでして。
ちょっと落ち着いてみると、なんとなく楽しみになってきたりもしますが。
「戦国ムーブメント」はすごいんだなあ、と感じ入りました。

先日アニマックスの一挙放送で、
戦国ブームの火付け役という世間的立ち位置の
「戦国BASARA」を見る機会がありまして、
ああこりゃあ人気出るわー
笑ったり意外と熱血したりしながら楽しんで見ましたよ。

私はゲームをあまりしない性質なもので、
残念ながらまったく原作は存じません。
なのでアニメの途中で、
徳川家康が死んだときには
頭の中が整理できなくて時間が止まりました。


参った! 
……ああ私はもうとっくに頭の固いオトナなんだと痛感しました。

すごすぎるプロダクションIG、予備知識なしで見て「いいなあ」と思うと
大概ここが作ってるということに最近気づきましたが、天才集団ですか。
現在は「君に届け」も毎回泣いてます。
二期はちゃんと本放送で見ますわ!

というわけでようやく火付け役を見たような情報弱者な私ですが、
偶然ながら「個人的戦国時代ブーム」は
世間様と多分さほど時期的にはズレずにあって、
ゲームとアニメにあまり詳しくない私にとってのその火付け役は、

宮下英樹『センゴク』
大羽快『殿といっしょ』

だったわけなんですよ。
両極端なマンガだけども(笑)。

その両翼を本日買ってきたので、こんなタイトルのエントリーに。
まあ『センゴク兄弟』は小説版なわけですが。

なんといいますか、テレビが「歴女」なんて名前をつけたせいか
なんやかんやと意見があるようですが、
今更何を言ってるんですか、と私なぞは思うのですよ。


日本の乙女に生まれた
からには、


『ベルサイユのばら』
を読んだ影響で
世界史で異様にフランス革命史にだけ詳しくなり、
『日出処の天子』を読んだ影響で
日本史の飛鳥時代は常にテストで満点を取り、
『あさきゆめみし』を読んだ影響で
源氏物語の人間関係は全部頭に入ってる、


それで当然
なんですよ(笑)。


今更「歴女」とか目新しいもののように言われなくても、
そのラインナップに今世紀になって
戦国時代が加わっただけじゃないですかね。

ただベルばらが受けたから、日出処が受けたから、
各社一斉にフランス革命だ飛鳥時代だ、
ってあの頃、そんなに一色に染まったかなあ?
という疑問は沸きます。

当時の記憶が鮮明にあるわけでもなく、
単に気がついてなかっただけかもしれないし、
あまり批判めいたことは言わない方がいいのかもしれません。
が…

雑学が受けたら雑学ものばかり、
おばかキャラが受けたらバカ解答ばかり、
メイドが受けたらメイドものばかり、
執事が受けたら執事ものばかり、
戦国時代が受けたら戦国時代ものばかり…

という昨今のマスコミの流れには、正直辟易しますね。
雑学もメイドも執事も歴史ものも大好きですけど、でもさ。
ハンバーグが好きでも毎日は嫌なの。



まあそんな世間の動きとは特に関係なく
『殿といっしょ』4巻、面白いです。
今回は信長の「それはズルくないか?」が一番好きかも。
朝倉義景の「ただし初夢が~」も捨てがたいですが。

そしてここにきて北条氏の
異常なキャラ立ちが波及してたいへんなことに。

ここの直江大好きだ。
でも友達にはなりたくない。

まさか小松殿にきゅんとする日が来るとは思わなかったよ!
なにこのいい話!
この父娘可愛くてたまらん。

姫若子から殿若子にジョブチェンジした長宗我部元親、
……の弟である親泰が、いかん私のツボをつく「弟ポジション」。
今後の活躍が楽しみです。

……と、四コママンガの感想を列記しただけでも、
出るわ出るわ個性的なキャラクターの数々。

無論定期的に戦国時代がブームにもなるのも当然です、
これだけキャラの立った武将がわんさかですし。

私のような詰め込み世代はことあるごとに
「日本はダメだ、日本では天才は生まれない、個性のない凡人集団」
と洗脳されてきたわけですが、
いやいやどうしてどうして。

今現在の教育現場のことは存じませんが、
学生時代を振り返るにつけ、
もっと日本史の授業は偉人のエピソードを語り、面白くすればよかったのに、と
歴史の授業でだけでなくもっと自国の偉人の伝記を
日本の子供たちは知らなきゃダメではないかと思っていたもので、
こういうブームはそういう意味では大変良いのかな。

種子島の鉄砲伝来エピソードで、史実かどうかは知りませんが、
山本兼一著作『ジパング島発見記』の中に、

普通にいくとサムライはものすごく怖いけど、
嵐で漂着した船には日本人は警戒せず親切にするので、
鉄砲を売りつけるためにわざと嵐の中を航行する、
というくだりがあり、

学生時代からなんとなく思い描いていた「鉄砲伝来」イメージが
ものすごい勢いで覆されて、なんだか変に感動したんです。
この見透かされ感が、善きにつけ悪しきにつけ
「日本人だなあ」って感じがして妙に好きなんですけど、

こういう話を歴史の授業で聞きたかったなあ!



いや史実だったとしたらですけどね。
でも「こういう説もある」でもいいですよね。


さて
『センゴク兄弟』はこれから読みますよー!

今回はずいぶんととっちらかったエントリーで申し訳ない…



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再読『ラブロマ』!

年末は身動きが取れないのがわかっているので、
今頃から来月上旬までの間に大掃除だとかいろいろやろうと毎年思うのですが、
毎年その最中に久しぶりに手に取ったマンガを読みふけってしまう、そんな季節です。

というわけで今回久々に読み返して「最高じゃー!」と改めて叫んだのは
とよ田みのる『ラブロマ』全5巻

なんという直球なタイトル。
そして中身も、豪速球で直球ストライクなラブコメです。

4巻の帯が内容紹介書き下ろしマンガだったので載せてみる↓

raburoma.jpg

1→2
3→4 の順になってます。帯なので本当は一列でしたが。


星野くんは理想の彼氏だと思います。とてつもなくステキです。
そして根岸さんは理想の男前だと思います。理想の彼……いや違う。

開けっぴろげで絶対に嘘をつかず思ったことを全部口に出す、
きちんと延々と話し合いお互いを理解し受け入れようと努める、
誠実で真面目で心底から善良な二人の、大爆笑コメディでございます。
「正直である」ということはスペクタクルだね☆

一巻ではいきなり星野くんが
全クラスメイトの前で根岸さんに告白するシーンから。
星野くんは何も隠しません。全部言います。全部本心です。
彼には駆け引きという概念はありません。常に直球です。

それにいちいちツッコミを入れながら、でも誠実に応える根岸さんは、
本当に男前……女の子ですよちゃんと、でも男前です。

ボケばっかりのキャラクターの中で
全部律儀にいちいちツッコむ根岸さんがいとおしい(笑)。

ハタから見るととてつもなくバカバカしいような会話を、
本人たちはでも大真面目に、真剣に、語り合う。
突き詰めて言えば全編そればかりですが、
前のエントリーでも書いたように、
駆け引きとか見栄とか自己保身とか考えずに、
常に誠実でやさしくあろうとする人の「普通の日常」は、
私の「泣きポイント」なのです。
『ラブロマ』は全編、全部通して、「そんな日常」です。

告白を受け入れるか入れないか。
受け入れたら付き合い方をどうするか。
デートはどんなふうにするのか。
キスはどうしたらいいのか。
家族に紹介するときは。
横からライバルが現れたとき。
試験勉強、受験勉強、将来の夢。
関係をもうちょっと先に進めたいけど、怖い。

高校生カップルのそういう当たり前の悩みを、
直球で「話し合い」でクリアしていく超健全な真面目なふたり。

raburoma2.jpg

この空気を読まないミもフタもない発言が星野くんの素晴らしさ(笑)。
それをツッコみつつ受け入れて真面目に応える根岸さんは素晴らしい人です。

ラブロマが好きすぎて連載中はアフタヌーンを買っていましたよ。
テレビでこういうドラマを流せば
この地上波をろくに見ない私(ケーブルは見る)も
毎週楽しんで見るだろうな、と当時よく考えたものです。
映像化の話が当時あったようなんですが、なんで実現しなかったのかな…
今からはもう期待できないんだろうな…

もう全5冊全部好きですが、特別に挙げるなら
4巻のマラソン話「走れホシノ」と最終話。
5巻174頁は今日読み返したとき、再読なのにうるっときました。
……いいなあ、根岸さんには星野くんがいて。
いいなあ、星野くんには根岸さんがいて。

真面目で地味で一生懸命で、他人に優しくあろうとして、日々悩んで頑張って、
友達を大切にして家族と仲良くして、大好きな人を思いやる、
そんな人たちの普通の日常。

社会にもまれて人間関係に疲れたときによく効きます。

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池田理代子『おにいさまへ…』

なんだ突然!? と思われるでしょうが、一応このへんで匂わせときました。
読み返した古いマンガについてもじわじわ触れていきたいと思います。
……古いマンガは面白いんですもん。
私が死ぬ前にキャンディ・キャンディを読み返させてください両先生……

そんなわけでようやく倉庫から引っ張り出してきて読み返した『おにいさまへ…』
私が持っているのは中央公論社の愛蔵版なんで、
ムチャクチャ分厚くて(総898頁)重いんですが、読んでいるうちに重さを忘れます。

そして読み返すたびに
これ『おにいさまへ…』ってタイトルが損してるんじゃ、
と余計な事を考えます。
ビッグネームだからまんがばかは皆内容知ってるでしょうが、
もしご存じない方が「兄と妹の愛憎劇」という勘違いをしていたら、

全然違うから! 男キャラなんて飾りですから!

と声を大にして言いたい。

内容的には「おねえさまへ…」の方が実情に沿っている。
そういうマンガです。

週刊マーガレットで連載が始まったのは1974年
しかし改めて読み返してみて、人物造形のバリエーションに驚きます。
今になってみれば「こ、これは理想的なツンデレ!」とか
「見事なヤンデレ!」とか思いますし、
ごきげんようおねえさまな名門女子高の百合だし、
池田理代子先生は時代を先取りしてますね!

SA380041.jpg

薫の君に対して典型的なツンデレを見せるマリ子。これはツン。

SA380040.jpg

これがデレ。
バスケの試合中に倒れた薫の君の様子を、
サン・ジュスト様の制止を振り切って見にきて唐突に泣き出す。

このマリ子は子供の頃読んだときにさっぱり理解できなくて印象が薄かったのですが、
今読むとなんでこんな個性の凄い子が視界に入らなかったのか謎です。

「女子高でモテるサバサバした男っぽい憧れのおねえさま」である折原薫、
通称「薫の君」に対しては、
今で言うところの典型的なツンデレである「上級生の子ネコちゃん信夫マリ子。
マリ子はしかし主人公御苑生奈々子(みそのお ななこ)に対しては、
典型的なヤンデレを見せます。

SA380037.jpg

帰ったら殺してやる…!

奈々子もまさか誕生会に呼ばれて、監禁されるとは夢にも思わなかったでしょう。


キャラの立ちまくった脇に囲まれて印象の薄い、がんばりやさんな主役奈々子が、
入学した名門女子高で経験し目撃する濃い愛憎劇を、
「おにいさま」である辺見武彦氏にあてて手紙で伝える、という体裁の物語ですが、
先にも述べましたがこの「おにいさま」にかかわる展開は、
正直どうでもいい。

これはサン・ジュストさまと蕗子さまの
ラブストーリーですから!

何度読み返しても身悶えします。なんだろうこのまったく色あせない感じ。
ふたりの視線が合うだけでときめくね!

SA380043.jpg

いつもは飄々として無感情に見える
「氷の美貌、死の大天使サン・ジュスト」こと朝霞れいは、
「われらの宮さま」一の宮蕗子がかかわると理性を失います。
この必死さがたまりません。

奈々子の耳に蕗子さまがキスしたのを目撃して、

「どっちの耳…!? 蕗子さまの唇がふれたのは…どっち…!?
どっちなの!? 右!? 右なの!?」

と怒鳴って奈々子の右耳に無理やりキスするシーンはもう、
知ってるのに胸が締め付けられますね。二重の意味で。
サン・ジュストさまの蕗子さまへの切ない片想いと、
サン・ジュストさまに恋する奈々子の哀れさと。

SA380044.jpg

サン・ジュストさまも奈々子もかわいそうだ。


だが「蕗子さまに片思いされ」「奈々子におにいさまと慕われ」「薫の君の運命の恋人」である、
それ何てギャルゲ? な女子高生ハーレムなはずの大学院生辺見武彦氏の、
存在感のなさこそが本当にかわいそうなのかもしれない。


さてこの『おにいさまへ…』はずいぶん以前にNHKでアニメ化されたのですが、
私はそのアニメを全話見れなかったのですよ。
再放送しないかなあとずっと待っていたのですが、
内容が過激なため再放送を自粛しているという……か、過激?

NHKで流せないならケーブルに権利を売ってくれ!
流してくれアニマックス! と切に願っております。

DVD探そうかな……


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黒羊(クロヒツジ)

……タイプミスじゃないよ!(笑)

木根ヲサムの新作が出たのでジャケ買いしてきましたよ。
正直なところ新作よりも、こころゆくまで『まつろはぬもの』
描いて欲しいのですけれども。

私自身が雑誌をそうそう買わない単行本派なので、
大きなことは言えないですが、雑誌の休刊は痛い……
『まつろはぬもの』は本当に面白かったのに。
大傑作になっただろうに。
6巻の、なんとかばら撒いた伏線だけは回収するぞという、
作者の姿勢に泣けましたよ。

さて新作『黒×羊』1巻。
流石の麗しい線、男女ともにやたらと漂う色香、素晴らしい絵です。
師匠筋が上條淳士先生と『まつろはぬもの』の帯で知り、
さもありなんと頷きました。

サブタイトルに「12人の優しい殺し屋」とあるので、
1巻は老若男女変幻自在の役者角坂翔の話でしたが、
巻が重なるに連れて別の人がメインになったりもするのかも?

その主役角坂翔さんですが、何故いつも女装、っていうか女体化
妖艶な美女になりすまして平然と男とちゅーできちゃうのは
役者ならではですか。
慣れちゃってるのかも知れませんが葛藤も逡巡もまったくない、
カラッとした彼の明るさがもう、逆に怖いです。




SA380032.jpg

「おまえが蘭丸
俺が信長役で
おまえはこの映画でブルーリボン賞獲っただろ」

メインは殺しの方だから無理なのはわかってます。
でもこれ見たい。詳しく見たい。
ちょっと外伝で詳しく描いてみようか! 小学館!




SA380034.jpg

「もと郵便局員の新人ホストが歌舞伎町でのし上がっていく話です。
翔にとオファーがあったのは
その店のナンバーワン・ホスト
アンドロメダ瞬。
甘いマスクと拘束系の小技であらゆる女性を忽ち篭絡!」

……なんでこう無駄に面白そうなんですか本筋に関係ない翔の仕事の話。
大爆笑したじゃないですか伏字もなくていいのかこれ。
これ超見たい。詳しく全編見たい。ちょっと外伝で(略



アンドロメダ瞬の役作りのために(でも多分それだけじゃないと思うけど)
翔が接触した歌舞伎町ナンバーワンホストの貴史サンも、
どうやら12人のうちのひとりっぽいし、
今後どう絡んでくるのか2巻以降がとても楽しみです。
2巻は出たら絶対買いますよ。

だって透サンがものすごくツボにどストライクだから!

12人のシルエットには透っぽいのが
いるようないないようななんですが、
是非メインキャラであって欲しい。

しかしまあ本当にもうトランスセクシャルは大ムーブメントですね…
暫定ヒロインである清楚系眼鏡美女のさなえさんより、
あきらかに翔の女体化の方がメインに描かれている感じが…(笑)。


とりあえず今回こそ、木根先生が最後まで思い切り描ける事を祈って。


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共鳴せよ!私立轟高校図書委員会 完結。

……通称「どろ高」が4巻で完結です。
そしてこのタイミングでドラマCD化決定。
このタイミングで久仁也様役が杉田智和さんとか。
どうしましょう。

地味で真面目で草食系な図書委員会の日常を描く4コマ。
日本の女子高生というと
スタイリッシュで派手で寂しがり屋で遊んでて、というマスコミの偏見から
最も遠いところにいる人たち。
でもとても私は共感できる人たち。
大部分の人々は別に派手でもなければ遊んでもいないものですよ、うん。

いやあしかし4巻も出てて高校生の群像劇で
カップルが一組もできないとか、徹底しすぎですよ。
この距離間がいいなあと安心して読んでたんですが、
最終巻において「こだわり」だったと書かれていて、
なんだか作者がすごく好きになりました。

いやもう何が好きって、

たほいや!

たほいや大好きだった!! あの頃のフジの深夜番組はなんて面白かったことか!
終わってしまってさみしくてさみしくて、
同好の士を集めてリアルたほいやゲームが出来ないものかと
真剣に考えていた学生時代、でも叶わなかった。

その夢がこんなところで疑似体験できるとは!
不意打ち過ぎて胸がじーんとしました。
ああもう、やっぱり面白いぜたほいや!
DVD出てたりしないのかな、出てたら買おうかなあと
ちょっとアマゾン見てみたけど見当たりませんでした。さみしい。

もういろいろ細かいことはどうでもいい。
たほいや好きだった人間は4巻を読んでください。
なんかもう、なんというかもう!

…たほいやの話しかしないのもアレですね。
ええと。
そうか。
ファミコンってもうそんなか。とか。
猪熊さんとちょっと自分の学生時代が重なる部分があったな、とか。

doro.jpg


広辞苑6版をキャラクター化したらこんなとか。
ここにも流行の女装男子がナチュラルに!

…では三省堂新明解国語辞典はキャラクターにしたらどんな感じでしょうか?


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こよなく漫画を愛する
ひとり暮らしのダメ人間。
こっそり同人活動も
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