ひとりごとご存知でしょうか森次矢尋さん。

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2024/11/21 (Thu)

白泉社から出てた高校生探偵北詰拓シリーズという漫画なんですが。
はじめて描いてみたけどどうにも似ない北詰兄弟。
シリーズ後半の仁兄さんはとても素敵です。

倉庫から発掘してきて久しぶりに読み返したら
「喪われた封印」だけがない――！！
休日返上して探し出さなければ……
しかし今読んでも、
「狩人なら誰でも」は傑作だと思う。面白いです。

きちんと「本格推理」をやってる稀有な少女漫画。

しかしながら「きちんと本格推理をやってる」がゆえに、
少女漫画においては命であるはずの
「登場人物の外見デザインや性格設定や人間関係」が

物語を盛り上げるための小道具として、
エピソードに合わせて変更させられる

という、ものすごい変遷を辿っているシリーズです。

おそらく編集部は初期の短編を、
単行本にまとめて収録するつもりはなかったんだと思われる。
ミステリとしてはできばえが良いために
編集部が思ってたより人気が出て、
「北詰拓シリーズ」として続けていくことになったのだろう…

というわけで、シリーズ中盤から
キャラクター設定や人間関係がやっと確定します。
確定したあたりが作者の森次先生の言う「第２部」なんだろうな。

つまり「シリーズ第一部」は、
キャラクターや恋愛模様や絵の魅力とかでなく、
純粋に、ひたすら純粋に
「論理的な謎解きを楽しむミステリ」なわけですよ。

そこに乱丁があるんですよ、泣くでしょ？

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よりにもよって、「狩人なら誰でも」を雑誌掲載時に読んで、
「これは面白い」と遡って単行本を集め始めたその当時から、
すでに品薄で入手困難だった

シリーズ第一作目である「黒いスポットライト」に。

↑携帯で撮ったので見づらいでしょうがお分かりでしょうか。
一冊の本の中で二回、同じ謎解きシーンが！
右ページは違うが左ページは同じ、というのは見えますよね？

↑　そしてそのまま同時収録のホラー短編が二回始まる。
このほうがホラーだっていう。

具体的に書くと97頁～112頁がごっそり抜けてて、
その代わりに161頁～176頁が二回入ってる。

おかげでシリーズ三作目の「遅すぎた啓示」の、
謎解きに至る過程が全然わからないんだよ――！
フィルムって何なんだフィルムって。
何をやったんだ一体。

逆に97頁～112頁が二回収録されてる乱丁本を
お持ちの方がどこかにいるのだろうか。
だとすると表題作「黒いスポットライト」の、
謎解き部分がごっそり抜けてて
そっちの方がかわいそうですが。

いつか買いなおそうと思っているうちに、
いつの間にか新作が出なくなってしまい、
今や書店でお名前を見かけることがなくなってしまった…
誰か森次矢尋先生を知りませんか。

久しぶりに読み返した「鍵となる者」の作中トークに、

「なるべく早くこの続きを描くぞー」と思ってた矢先
また体を壊しちゃってダウン。
約４ヶ月以上かけてやっと机の前にすわれるくらいの
体力と視力が戻ってきました。
（中略）
そろそろ第２部ラストに向けて始動する予定では
ありますが　もう少し　お待ちくださいね

とあるのがなんとも言えず……

10年待ってます森次先生。

お体がお悪いのでしょうか…
せめて絵を他の人に任せて原作だけでも……
まだ拓の謎が……
１０年前の謎が10年放置……！！

絵は癖があるし特に初期のころはお世辞にも巧いとは言えないけれど、
一切の手抜きがなくどこまでも丁寧で、真摯な姿勢が感じられて好き。
どんどん可愛くなっていく拓くんと美形になっていく仁さんの
変遷ぶりがすごいです（笑）。