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アイツの大本命3巻発売中。

BLです。
ボーイズラブです。

いや逃げないでまあ待て今まで百合だの女装男子だのさんざんやってるんだ今更。
百合はよくて薔薇はダメとか勝手なことを言うんじゃない好き嫌いしないで何でもよく噛んで食べなさい。


……いや年末年始でサボリ過ぎてて、
レビューを書く為のモチベーションの上げ方が下手になりました。
読んで面白かった本はいっぱいあったんですがどこから手をつけていいかわからない。
なんか今更この本について私如きがごちゃごちゃ言うのもなあ、なんて
身も蓋もないことが頭をよぎっちゃうとダメですね。



というわけであからさまに開き直ってみました。



BLレビューをやるなら絶対この人からにしようと決めていた田中鈴木さん。
どこまで苗字なのかそれとも名前なのかわからない田中鈴木さん。
リブレ出版からこのたび3巻目が発売されました『アイツの大本命』
このタイトル発音するときにどうしても
「スイカの名産地♪」
と同じになるのは私だけでいいです。


傾向やジャンルや萌え属性にかかわらず、
新刊が出たら名前だけで買う作家さんはあまたいらっしゃいますが、
田中鈴木さんもそのひとりです。
BL以外を出してもこの人なら買います。

作者の名前が田中鈴木
『アイツの大本命』の主役は佐藤(攻)と吉田(受)。
この気取った雰囲気が皆無のシンプルさが好きだ!
BLなのにね!


吉田くんはツリ目でチビで女子人気皆無の童貞ブサイク君です。
くどいようですがその吉田くんがです。
受というのは専門用語でネコです。ゲイの女役です。
どんなルックスかというとこの下にいる方の人です。↓

tanakasuzuki1.jpg

上でアップになっているのが佐藤くん(攻)です。
専門用語でタチです。ゲイの男役です。
キラキラしてる超イケメンです。
学校中の、いや近所中の女の子が
どんどんおかしくなっていくくらいのイケメンです。
女子がどんどんおかしくなっていくのを苦笑いで見守るのも
このお話の魅力のひとつです。

モテモテ佐藤くんは女の子たちの誘いを角を立てずに断るために
「吉田と約束があるから」という言い訳を多用するので、
吉田くんは女子の敵になっていきます。

別に仲良くもないし約束もしてないのに言い訳に名前を使われるため、
「少しは遠慮して佐藤くんを女子に譲れ」と責め立てられる毎日の吉田くん。
ただでさえブサイクでモテないのに
イケメン佐藤のせいでこのままじゃ彼女なんか夢のまた夢。

まあカテゴライズBLですし次の展開は読めますよね?
モテモテで皆にいい顔していて何でも出来る佐藤くんの本命は、
ツリ目チビブサイクの吉田くんなのでした。

……ところで佐藤くんが吉田くん本命なのに、
吉田くんを窮地に追い詰めてしまうほど周囲にいい顔をし続けるのには
あるトラウマが関係しています。
彼は本性がどSのいじめっこなのですが、
それは吉田くんにしか見せない顔なのです。
……3巻ではSの顔がダダ漏れになってきましたが。

基本世話焼きでいい奴な吉田くんは、だんだん佐藤くんにほだされていくという
BL王道な展開ゆ―――っくりやりつつ、

ラブなシーンはあまりにも少なく、
色っぽいシーンは皆無に等しく、

じゃあ3巻も何をやってるかというと、


なにしろ高校生男子の青春物語ですから、
たとえばこの3巻ですと、合コンとか!








goukon.jpg

※合コンです。






同級生の可愛い子ちゃんにセッティングしてもらった合コンに
吉田くんとそのモテない仲間で参加したりとかしてました。




斬新な自己紹介とかされてました。

goukon2.jpg

※BLです。





あと、あとはそうですね、モテモテ佐藤のライバルが現れたりしましたよ!
受が何故か男にモテモテで攻がヤキモキ、BLの王道でしょう!?



しかも外面はいいけど内面いじめっこな佐藤くんと違って、
ライバル西田(またこのシンプルな名前)くんときたらとてもよい人。

どれくらい良い人かというと彼を町でふと見かけると、


iiyatu.jpg



息をするように善行を重ねてる超好青年なのですよ!





iiyatu2.jpg



見てるだけでこっちの息が切れるわ!






……要するにBL本ということになってますが基本ギャグマンガです。
3巻のあとがきでは作者自ら

もっと笑えるものが かけるよう がんばりたい!! です

と書くくらいです。
BLレーベルから出てるので一般読者の目にあまり留まらないであろうことが
たいへん悔やまれる作家さんなのです。

あ、でも「恋愛もの」としてもちゃんと好きですよ。
もう一組の同時進行ブサイク受カップル山中×高橋のダメっぷりも最高です。
ブサイク受という新興ジャンルですが、
吉田くんも高橋くんも心根がピュアなので、
なんだかだんだん可愛く見えてきます。


……が。

『転校生・神野紫』のときにもつくづく思いましたが、
田中鈴木さんはBLレーベルでなく一般誌で描かれるべき方じゃないのかなあと。

特に神野紫は一般誌でちゃんとバトル中心で読みたかった。
女の子もみんな魅力的だったし、それぞれキャラクターを掘り下げて、
全12巻くらいで少年漫画テイストにちょっとBLが匂うくらいの立ち位置で
描かれるべき物語だったんじゃないかなあ勿体無いなあ…


BLレーベルでももちょっと日常ラブ要素以外も許してくれるようになればいいのに。
昔は壮大なテーマに同性同士の恋愛要素がちょっとある、くらいの
少女漫画がいろいろあったものですが、

BLというジャンルが花開いてからこっち、
男同士の恋愛を描きたいならこっちで描きなさい、
ただしテーマは男同士の恋愛、のみ! ですから!
という方向性が決め付けられてしまった感がありませんか。
気のせいですか。

きっと何につけそうなのでしょうが、
自由に気ままにそこにあったものが、
名前をつけられ分類されると
たくさんの人にわかりやすくなるけれど窮屈になる、という悲しい現象。

BLは好きだけれど
日常的な僕たちラブラブばかりだと寂しくなってくるわけなのです。

同性とか近親とか身分違いとか敵同士とか、
要するに私は単に「障害の大きい恋愛」を読むのが好きなんだと思います。
そしてできれば、恋愛以外のことも一生懸命な、真摯で真面目な人たちの…

田中鈴木さんのような才能が、自由に飛翔できる場所って今はないのかなあと、
カテゴライズされていなかった雑多な昔の漫画界を懐かしく思い出します。
昔は少女漫画雑誌にフツーに
ホモもレズもSFも時代劇もファンタジーも西部劇も本格的なものが載っていたのに。

学校内での恋愛話以外少女は読まないと決め付けてるのは誰だ?


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こよなく漫画を愛する
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