ひとりごと
ブロッケンブラッド4巻発売中。
主人公はドイツ系日本人で16歳の男子高校生でありながら、
実は短大卒の23歳という裏設定の現役女子中学生アイドルである
ノイシュヴァンシュタイン桜子15歳として芸能活動をするかたわら、
その正体は女子中学生クリスチーネ幸田14歳ということになっていつつ、
気象予報士ホーエンツォレルン楓でもあるという、
悪と戦う魔女っ子ヒロインに変身する、守流津健一。
まったくもって。
要するに運命に弄ばれて女装させられ続ける美少年主人公の、
恥じらいと切れっぷりを堪能する魔女っ子コメディだ!
時事ネタが多くてパロディ満載なので、早めにとりあげたかった。
ムチャクチャ面白くて絵が可愛くて大好きなんですが、
リアルではなかなか人にお勧めできない(笑)。
中国系アメリカ人の父と
日本人の母を持つ
天才外科医
ツァイチェン五郎。
もうね、ここで声出して笑ったんですよ私。
漫画で声出して笑うとか久しぶり。
桜子ちゃんも可愛いが、ハーマイオニー楓ちゃんが好みすぎる。
清楚な外見の暴言キャラとして、替え玉ちゃんじゃなくてもっと出て欲しい。
まあ男なんですけど!
4巻の帯に「全員女装男子? むしろ最高じゃないか!! 」と
でかでかと書いてあって、レジに持っていくのに躊躇した。
ふと気づくと書店に溢れかえる、
男性向けトランスセクシャルコミックの山。
どうしたんだこの国。
とりかえばや物語については語るまでもなく、
手塚神が初の「少女のためのストーリー漫画」として
「リボンの騎士」を描いたそのはじめから、
少女漫画の世界にはトランスジェンダーものが溢れかえっていました。
私ごときが愚考するまでもなく、
それは社会的抑圧を強く感じていた当時の少女たちが、
魂を解放し自由に飛翔するためには、
男性の従属物ではなく対等の立場として扱われるためには、
「少女である」という枷を脱ぎ捨てる必要性があったからだと、
もうすでに何度も言われつくされてきました。
しかし魂の半分を男として生まれ、
戦うために王子を名乗ったサファイア、
男として育てられ男装を強いられたオスカルを経て、
とうとう少女漫画はセーラームーンまでたどりつくわけですよ。
「少女が少女であることを肯定しつつ、
可愛いまま自由に戦える」世界に。
少女が少女であることを誇りに思う世界に。
そして少女漫画の世界からトランスジェンダーは減っていきました。
(少女の姿を借りたBL要素のための男装ネタは
方向性が違うので残ってますが)
そしてふと気がつくと男性向けがえらいことに。
いまや日本は男性が社会的抑圧を感じる性だということなのか。
考えさせられてしまいましたよ。
ギャグ漫画なのに。
というか抑圧がなくなった性には当然「恥じらい」がなくなる。
女性であることを、可愛いことを平然と武器にできると
「無垢」「清純」「純粋」という萌え要素が補えなくなる。
その「萌え」を存分に楽しむためには、
「可愛いことが本人には何の価値もないこと」
「可愛い格好を本人が望まないこと」
「可愛い仕草や台詞が計算でなく天然であること」を
絶対条件にせねばならず、
「やむを得ず女性化(女装)した少年」という設定はそれをすべて
簡単にクリアする、そういうことなのではないでしょうか。
私女だけど、若い女の子はもっと恥じらいを持ったほうがいいと思うの。
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