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波津彬子『幻想綺帖』

前回のエントリーであるところのフレドリック・ブラウンの流れで、
波津先生の、古典原作付短編集をとりあげようと思いました。
決して「彬」の字を出したついでに、というわけではありませんよ!(笑)

出世作であるところの「雨柳堂夢咄」は論を待たず、
泉鏡花のコミカライズ「鏡花夢幻」
読書用と保管用に、2冊欲しい珠玉の単行本です。
この人の本はなにしろ装丁がいいんだ。文庫じゃ勿体無い。

金沢だからでしょうか、この人は鏡花の女性を表現するのが、
とてつもなく巧いと思うのです。
美しく控えめで芯が強く心優しく誇り高い、
「大和撫子」を描かせたら天下一品だと思います。

そんなわけで名作「鏡花夢幻」に続き、
鏡花をコミカライズしたというので
「幻想綺帖」もすぐさまお買い上げ。
まあこの本は、鏡花だけでなく
古今東西の幻想色の強い短編を集めたものなのですが。

やっぱり鏡花は良い。
あの独特の台詞回しが浮かない、端正で上品な絵。
素晴らしいです。

古今東西の幻想譚を集めたということで面白いのは、
特に気にせず怪異と仲良く暮らす日本の物語に対し、

何も悪さをしてないどころかお前に力を貸そうと言っている妖を、
問答無用で殺す中国の物語の対比。

作者本人もその点についてはあとがきに書いてますが、
八百万の神の国の人間は、本当にもうびっくり仰天ですよ。
「なんで!??」
理解できなくて目が点になった。


人間の方が恐ろしいわ中国!



波津先生は大和撫子のほかに、
ベルエポックやジャズエイジの名手でもあるので、
モンゴメリの「嵐の夜に」はとてもよかった。
アームストロング夫妻は別れたほうがいいと思いますが。
あんまりだよ。

いやあもう、巧いなあ、と感嘆するのは

嵐の夜に












この大ゴマです。

漫画というのはすごいな。
このなんでもないシーンのものすごさが、
読後にわかります。

誰でも教科書で読んだことのある「山月記」とか、
改めて漫画で読んでみるのはどうでしょう?

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こよなく漫画を愛する
ひとり暮らしのダメ人間。
こっそり同人活動も
やってたりします。

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